「エル シネマ大賞2018」ランキング発表

今年で4年目を迎えた“女性のためのベスト映画”を選ぶ、エル シネマ大賞。映画評論家や文化人、エル・エディターほか、約60名が審査員となり、独自の目線でベスト作品を選出。

『アリー/スター誕生』『アンダー・ザ・シルバー・レイク』『犬ケ島』『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』『オーシャンズ8』『オー、ルーシー!』『女は二度決断する』『顔たち、ところどころ』『華氏119』『カメラを止めるな!』『君の名前で僕を読んで』『クレイジー・リッチ!』『グレイテスト・ショーマン』『クワイエット・プレース』『心と体と』『シェイプ・オブ・ウオーター』『スリー・ビルボード』『テルマ』『ナチュラル・ウーマン』『バッド・ジーニアス

Amazon | (バレンシアガ) BALENCIAGA スニーカー 43サイズ TRIP

危険な天才たち』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『判決、ふたつの希望』『万引き家族』『The Beguilビガイルド欲望のめざめ』『ファントム・スレッド』『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『レディ・バード』『RAW 少女の目覚め』『若い女』。

安藤さくらはじめ、俳優の演技が素晴らしい。作品そのものの素晴らしさはもちろん、いまの日本映画界で社会に様々な議論を引き起こせる映画を作れるのは、是枝さんくらい。

いないことにされている人々が、老女の年金で繋がり、家族になっていく。海水浴での樹木希林さんの姿は、屈指の名場面。これは是枝監督にとっての『生きる』なのかもしれない。

悲劇には悲しみにくれる母親がつきものだがフランシス・マクドーマンドが演じる母親は良い意味で観客を裏切る。口下手で意地っ張りで不器用で…。閉鎖的な田舎町を舞台に、彼女を巡る人間模様の描写が素晴らしい。

残虐な事件そのものを描かずに展開する手法がまず秀逸。娘の仇を討つ母親の息つく暇もない行動力や当事者たちの心の機微をユーモア交えながら捉え、クライム・サスペンスでありながらも、ヒューマン・ドラマと呼ぶにふさわしい圧倒的な結末。言葉が出ないほど感動した大傑作。

フランシス・マクドーマンドの演技が素晴らしかった。彼女が看板を睨んでいる冒頭の1シーンだけで、娘を殺した犯人を憎みつつ、どこか自分自身にも許せない怒りを抱えてる母親の感情が伝わってきた。

https://www.tote711.com/copyn-194-b0.html

この映画を映画館で観ている時、「ここは笑う所か?」というシーンで外国人の笑い声が聞こえてきて、そうだ、彼ら彼女に比べればこの映画を深く理解するのは難しいだろうなと思った。それでも、字幕を通じて、悲しみや怒りを通り越した可笑しさを痛いほどに感じた。